今朝も寒い朝になりましたね。


今朝も寒い朝になりましたね。
最近、ブログのコメントで多いのが母乳について。
少し長いので興味がある方でお時間がある時に読んで頂けたらと思います。
前回の母乳に関する記事への頂いたコメントを拝見して、
誤解があるようですのでもう一度、整理します。
1 アルコール、タバコ、薬
2 食物アレルギー
3 母乳の味、質、その他
まず、1についてです。
各自治体発行の母子手帳をご覧になって下さい。
最新のガイドラインが示されています。
これに関しては、ネットの情報などに振り回されず母子手帳が基本だと思ってください。
基本的にアルコール、タバコは摂取しない。
薬は自己判断せずに主治医に確認と記述があると思います。
米国小児科学会の見解ではワイン2杯程度のアルコールを摂取した場合
最低2時間あければ問題ないという記述もありますが、アルコールの代謝には個人差もありますし、アルコールが好きな方は
一度飲み始めると自己管理が難しくなる事も多いので、私は母子手帳通り摂取を控える方がいいと考えています。
まず、Aは、主に粉ミルクによる乳児消化管アレルギーです。
血便、嘔吐などの症状で、まれに米、大豆、母乳でもおこりますが、大半は粉ミルクとされます。
一般的なアレルギーとは違い、判定に特異的IgE抗体は必要とされず、また、症状も様々で、検査から治療まで非常に難易度の高い症状です。
成育医療センターにおける発症率から概算すると、年間に 1000 名程度の患者が新たに発症しており、とても珍しいアレルギーです。
この症状を取り上げ、粉ミルクは悪いという極論が横行していますが、筋違いといえます。
多くは成長とともに改善されると言われているので、安心して専門医の診断と指導、治療を受けて下さい。
次にBの食物アレルギー由来のアトピー性皮膚炎です。
アナフィラキシーや蕁麻疹などの即時型症状と同時に起こる事もあるのですが、
分けて考えるのが正しいとされ
B、C合わせて乳児の5~10パーセントがかかると言われています。
こちらも、小児科医による問診を経て、
医師にスキンケア指導、薬物療法を受けます。
それでも、症状が治らない場合は疑いのある食物の特異的IgE抗体検査(血液検査をします。
陽性であれば、陽性抗原が2つ以下、例えば鶏卵、小麦だけの場合は1~2週間の鶏卵、小麦を除いた除去試験を行います。
母子の栄養状態を損ねるリスクもありますので、厳重な医師の指導のもと行う必要があります。
それでも改善されない場合や抗原が3つ以上の場合は、アレルギー専門医の医師へ紹介され、食物除去と負荷試験を行い治療します。
とても、コントロールが難しい治療なので、患者さんの自己判断などは危険です。
ただ、多くは成長とともに改善されますので、小児科医、専門医の受診をもって、治療されて下さい。
次に3のアナフィラキシーや蕁麻疹などの即時型症状は、食べてからすぐにショック状態(呼吸困難、嘔吐)や全身の蕁麻疹に陥る状態です。
すぐに、小児科に行ったり、呼吸困難、痙攣など重篤な場合は救急で素早く搬送されることが必要です。
遺伝的要素が強いので、119番に連絡する時、食べたもの、両親のアレルギーについて知らせるといいでしょう。
参考
食物アレルギー緊急時対応マニュアル/東京都アレルギー疾患対策検討委員http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/07/DATA/20n7o400.pdf
厚生労働省の人口動態統計の集計によると、日本でのアナフィラキシーによる年間死亡者数は2011年に71名となりました。
人口換算すると死亡に至るケーは、1/180万人であり、多くは誤接種によるものなので、過剰になる必要はありません。
治療法は食物アレルギー由来のアトピー性皮膚炎と同じく問診、特異的IgE抗体検査(血液検査)をします。
鶏卵、牛乳、小麦、大豆を原因とする場合の多くが治療と成長により治ります。
しかし、それ以外の甲殻類、魚類、果物類、そば、ピーナッツなどは治りにくいと言われています。
これも、小児科医、アレルギー専門医の厳密な指導のもと治療されるべきものです。
次に続きます。
前回の続きです。
最後に3、母乳の味、質、その他についてです。先日の「母乳について」のエントリーがここに相当します。
「母乳について」のコメントに
「お母さんは卵を控えた食事にして下さいと言われました」
とありますが、おっしゃった方が専門医であるならば、指導に合わせるのが正解です。前述の食物アレルギー由来のアトピー性皮膚炎か蕁麻疹など即時型症状の可能性があります。
除去試験であるならば、厳密にお母さんは実行しなくてはいけません。
しかし、日本アレルギー学会の見解によりますと、
「子どもさんのアレルギー疾患発症を予防するために、妊娠中や授乳中に安易な食物除去を行うべきではありません。」
http://www.jsaweb.jp/public/general/qa_shokumotsu_14.html
と、アレルギーと胎児、乳児に対する基本的な姿勢をしめしています。
また、日本小児アレルギー学会がとりまとめた食物アレルギー診療ガイドライ2012によりますと、
ハイリスク児の母親の授乳中の食事制限を推奨しない
つまり、遺伝的にかなりの確率でアレルギーになる乳児に限っても、母親のアレルゲンとなる食事の制限でさえ、おすすめできないとの見解です。
食事制限による偏った食生活の方が、母子の健康を損なうと考えられていて、
母乳へのお母さんの思い込みや自己判断に対して、医学会も警鐘をならしています。
次に、食物アレルギーについても、自己判断はしないこと。
必ず小児科医の指導に従って下さい。
そして、母乳には食事によって味の変化などありませんし、乳腺炎になったりもしません。
安易な食事制限は母子の栄養不良を引き起こし、乳児の発育を阻害する要因になります。
私は小児科の専門医ではないので、
学会の出しているデータと小児科医の先生方のご意見を聞き分かりやすく書いたつもりです。
多くの先生方もおっしゃっていましたが、母子の健康を損なわない程度の食事制限を「したい方」はしてもいいと思いますが他人にそれを強要したり、それをしないのは母親として失格だ!!
というのはおかしいのではないでしょうか?
不安に思っているお母さん達の参考になれば幸いです。
食物アレルギー診療ガイドライン2012/日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会
前回のブログに沢山のコメント&メッセージありがとうございました。
妊娠する前は毎朝スムージーを作っていたのですが、悪阻の時期からどうもドロッと感が少しずつ苦手になっていたんです(^^;;
アトピー性皮膚炎とステロイド外用薬のついて、
アトピー性皮膚炎と他の皮膚炎の大きな違いのひとつに、
一日単位ではなく、一ヶ月単位で治す病気であり、
さて、アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症をともないます。
多く頂いたご質問の中にもある「ステロイドは怖い」という先入観や噂から、
結論から申し上げますと、
まずは正しい消火活動です。炎が上がったら、
次に、間違った方法です。せっかく手元にある消火器を、
アトピー性皮膚炎は、初期の段階で根治(鎮火)することで、
【後編】に続きます。
【前編】からの続きです。
現在、医学的な裏付けがなかったり、
このように間違った情報が氾濫し不安になりがちな患者さんを取り巻く状況を改善すべく、
この結果、
まずは専門医を受診し治療をはじめることが、
ステロイド外用薬は、症状をコントロールするためにも、専門医に適切な使用法を教わる事をお勧めします。
アトピー性皮膚炎の治療のとても難しいところは、お子さんを連れての通院、塗布の仕方、生活習慣など、多くの部分を、患者さん本人ではなく、症状の分からない親御さんに依拠していることです。
さらに、治るスピードも遅いとなれば、
結果を出す治療にするためにも、
では最後に、
用法用量について具体的に教わっていますか?
1 一回の使用量
2 塗り広げる部位と面積
3 頻度
生活習慣について、具体的に教わっていますか?
1 正しい顔と体の洗い方、
2 スキンケア
3 改善すべき生活習慣、
4 変える必要のない生活習慣
治療方針について
1 通院頻度
2 治療期間
3 ステロイド外用薬の離脱期間
(一見、症状が収まっていても、
アトピー性皮膚炎について、
分かりやすく網羅されているのが、
また、お子さんに正しく病気について伝えるために、「
日々の診療や研究で奮闘している専門医の皆様のお力によって、アトピー性皮膚炎をめぐる医療は、
お母さんとお子さんにとって、心身ともに負担の少ないアトピー性皮膚炎治療になるように心から願っています。
○
特に、保湿薬、
「アトピー性皮膚炎の標準治療」
九州大学医学部皮膚科学教室
http://www.kyudai-derm.org/
○アトピー性皮膚炎のメカニズム、
「よくわかるアトピー性皮膚炎」
公益財団法人日本アレルギー協会
http://www.jaanet.org/pdf/
○子供が学校生活をおくる上での心得について、
「アトピーせいひふえんってうつるの? 」
公益財団法人日本学校保険会
http://www.gakkohoken.jp/