昨日は日本化学療法学会の市民公開講座のパネルディスカッションに参加させてもらいました。
今回のお題は
「薬が効かない感染症の時代がやってくる」
抗生物質が効かないいわゆる「耐性菌」についてのお話でした。
20世紀の開発で人類に恩恵を与えた物の一つと言われる「抗生物質」
1948年にペニシリンが発見されてから医療は大きく変わりました。
人類の脅威だった様々な感染症に対し150種類を超える抗生物質が開発されて何億人という命が救われてきたのです。
しかし、病原菌も生き延びようと形を変えてきて今迄の抗生物質では効かない「耐性菌」が発見されています。
その現状を市民の皆さんにも広く知ってもらう為に各分野の専門医の先生達とディスカッションさせてもらいました。
耐性菌を生んでしまう原因の一つに間違った抗生物質の使い方があります。
特に多いのがウィルス感染が9割をしめる風邪に対して抗生物質を処方する事。
ウィルスと細菌は違うので抗生物質は風邪に効果はないのです。
私自身も外来で風邪の患者さんにはそう説明して抗生物質以外を処方しようとすると、薬をくれない!と言われてしまったりします。
風邪に抗生物質は効かない‼︎それを皆さんが知って貰うだけでも耐性菌予防になるんです。
そしてもう一つ大きな事は耐性菌に対する新しい抗生物質の開発を進めるという事。
残念ながら現在は抗生物質の新薬開発が後回しになっているという現状があるんです。
万が一、耐性菌に感染してしまっても効くお薬がないというのはとっても怖いと思いませんか?
そんな現状を変えるように色々な角度からアプローチをしていく事の大切さを一人でも多くの方にもっと知って貰いたいです。
昨日のパネルディスカッションの内容は後日、日経新聞に掲載されるという事なので日程が決まったらまたブログでUPしますね。
出来るだけ多くの方が関心を持ってくれますように。